インナードライ肌攻略法
〜皮膚科に駆け込む前にできるスキンケア〜

インナードライ肌攻略法<br> 〜皮膚科に駆け込む前にできるスキンケア〜

以前ご紹介した通り、インナードライ肌には「スキンケアを頑張りすぎている」という傾向が見られます。
過度な刺激や攻めのケアによって、バリア機能が低下しているケースが少なくありません。
当院では院内処方として「セラミド」を採用しています。
セラミドは、バリア機能の正常化と適切な保湿において非常に有効な成分であり、多くの患者さまに処方してきた実績があります。

一部で「オイリー肌・ニキビ肌にセラミドはNG」といった情報を目にしますが、これは正確ではありません。
問題となるのは“セラミドそのもの”ではなく、セラミドを含む製品の処方設計です。
オイリー肌・ニキビ肌において重要なセラミドの基本機能は以下の通りです。

・角層のバリア機能を構築・維持し、洗顔や摩擦、細菌などの外的刺激から肌を守る
・水分蒸散を抑制し、内部水分を保持してうるおい環境を安定させる
・バリア改善を通じて、二次的に皮脂分泌の過剰状態を是正する可能性がある

脂性肌の方ほど、水分蒸散(経表皮水分蒸散)が進み、バリア機能が破綻しているケースがあります。その結果として、過剰な皮脂分泌が生じているのです。
セラミドはこの悪循環を断ち切る役割を担います。
「セラミドは油性成分だから脂性肌には不向き」という認識は誤解です。
SNS等で語られる「油性」「オイルベース」という印象は、セラミドと油性基材が混同された結果なのです。
その理由は次の通りです。

1.    セラミド自体は皮脂分泌を増やす成分ではない
2.    セラミドは角質層の構造成分であり、単なる油分ではなく細胞間脂質として機能する
3.    水にも油にも溶けにくい性質を持ち、細胞間で“接着剤”のように働くことでバリア機能を形成している
4.    セラミド配合でもオイルフリー処方は可能である
水系処方も可能であり、当院の院内処方「RCエッセンス」はその一例です。

ご自身で製品を選ぶ際の推奨成分は以下です。
・ヒト型セラミド、または複数種類のセラミド配合製品
・セラミド前駆体成分
・セラミド合成を促進するナイアシンアミド
・グリシン、セリンなどのアミノ酸系保湿成分

一方で注意したいNG成分は以下です。
・高濃度ビタミンC(10%以上)
・高配合レチノール
・AHA、BHAによる毎日のピーリング
・高濃度アルコール

これらは一時的に改善したように見える場合がありますが、継続使用によりバリア機能をさらに低下させる可能性があるのです。
ベタつきと乾燥を同時に感じるインナードライ傾向のある方こそ、まずはスキンケアをシンプルにし、土台の再構築から始めてみてくださいね。